Cats

久しぶりに妻と映画。正月に「スターウォーズ」を誘われたけど、このシリーズ一度も真面目に観たことなかったので全然興味なし、なのでお断りした。そのかわり洋画より邦画、ジョージ・ルーカスより長渕剛、ということで1月下旬から始まる「太陽の家」を予定していたが、突然24日から公開の「Cats」に変更、まっイッかで観てきた。

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この映画、アメリカで結構酷評されている。キモい、退屈、恐ろしいなどなど。見る前にあまり先入観を入れたくないのでレビューはほどほどにしてまずは映画館へ。 

あらすじは、人間に飼われることを嫌い、自らの力で人生を謳歌しようとする猫たちが集まり舞踏会を開く。その舞踏会、今まで生きてきた悲しみ、苦しみから解放され、新たな人生の再スタートのため天上へ行くことが許されるただ一匹を長老猫が選出する。誰もが登りたい、行くのは俺だ、いや私よ、そんな猫たちが訴えかける。勿論、猫は人間に擬えている。欲あり、驚きあり、優しさありの猫ドラマだ。

前半は進行が目まぐるしく、字幕に追われ動態視力がついていかない、すごく疲れる。ミュージカルは展開が早いので字幕スーパーはいかがなものかと疑問。以前、ジーザス・クライスト・スーパースターのロックミュージカルを見たがそんなに疲れなかった、ヤッパ歳のせいか。

後半、ジェニファー・ハドソンの歌「Memory」から段々引き込まれていった。この歌、バーバラ・ストライザントが40年前に初めて歌った曲で有名。Catsを見てなくてもこの曲みんな知っている。音楽の方が先に人口に膾炙した。オレなんか「追憶」とセットでとても懐かしい。その「Memory」、過去の私は美しかった、思い出よよみがえれ、朝日が昇ればまた新しい一日が始まるという歌詞。新たな人生のスタートを天上で実現するというストーリーと重なっている。ジェニファーの歌、最高だ。

映像はというと、確かに一見「猿の惑星」をイメージしたほど結構強烈。ネズミ、ゴキブリ、なんでもアリだ、それも見方によると気持ち悪さが勝って早く次の場面へなんて思う。そんな中でも、主人公のフランチェスカ・ヘイワードの美しさが際立って全てを帳消にしている。とっても綺麗で可愛い、表現豊かだと感じた。

芸術の鑑賞は難しい、エネルギーがいる。芸術をわかるにはとにかく何回も見ること、その通りだと思う。わからないものをわかろうとするにはまず馴染むことだ。人と同じで芸術も生きてるってことか。そのために何回も何回も、観て、聴いて、触れること。その回数が増え馴染んでくると愛着がわく、そうするとこっちのもの。芸術と意志の疎通が生まれ、その作品が訴えかけているものがわかり、感動につながる。このCatsだって2、3回観ればもっと違う発見や感動があるかも知れない。昔読んだ本を読み返すのに似ている。と思っているだけ。

ミュージカルで感動したのはなんといっても、劇団四季のライオンキング。なので、Catsも劇団四季版を生で見なくっちゃ。

この映画、なんの根拠もないがツェペリンの「天国への階段」のイメージに似ている。Hope song、希望の詩だ。

おしまい

2020.1.25

浦和、パルコ