前橋

今日、前橋に行ってきた。妻の仕事のイベントの下見に付き合った。久々にマイカーで遠出、真白な富士山を真正面に見ながら外環から関越道を北へ。群馬へは北陸へ行った時に通過したぐらいであまり馴染みがない。群馬といえば、国定忠治木枯し紋次郎中曽根康弘、コンニャクそして温泉。

高速を突っ走り約1時間、やがて右手に薄らと雪を被った赤城山の広大な末広がりが見えてくる。裾野の稜線が素晴らしい、新幹線から見た富士山のもいいがそれ以上になだらかで女性的だ。

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赤城山は、オレの座右の書、深田久弥日本百名山の一山だ。その中にこんな表現がある。「山には、きびしさをもって我々に対するものと、暖かく我々を包容してくれるものと、二種類ある。赤城山は後者のよい代表である。」「見事なのは、のびのびと裾野へ引いた稜線であって、おそらくこれほど大きな根張りは、他に例が少なかろう。しかも、それが少しのわだかまりも渋滞もなく、ゆったりと優美な線で伸びているさまは、胸がすくようである。」オレもそう思う。

反対側には榛名山、その後ろには浅間山そして妙義山、こんな山々に囲まれた環境、羨ましい。恐らくここで生まれた人たちは、喜びの時も悲しみの時も山々へ寄り添って生きてきたんだろうと思う。そんな歴史を赤城山は見てきたのかと思うとなんか暖かくなる。

日本の旅に山は欠かせない。なので最近、山を見ると名前といわれが知りたくなる。幸い、スマホをかざせば教えてくれるアプリがあるので便利だ。昔から山の好きな人はそこに山があるからなんてひたすら登山する。オレは山並みや稜線に惹かれるので遠くから眺めるのが好きだ。だって山へ登るとその雄姿が見えなくなる。

オレの好きな山、国道226号線から見上げる開聞岳函館本線から東に聳える北海道駒ヶ岳富良野線から望む十勝岳そして青空に映える赤城山。群馬を全然知らなかった。山々に囲まれ広大な麓に民家が佇む、とても綺麗なところだ、気に入った。

帰りに折角来たので赤城山の中腹にある赤城神社まで足を伸ばすことにした。こんな時、車は便利だ。ところが、目的達成ならず。登っているが中々着かない、結構距離がある。登る程に積雪の気配、ヤッパリ道路が雪というよりアイスバーンスタッドレスなんか履いていないので嫌な感じ。案の定、前方に車が3台止まっていた。先頭の車がスリップして立ち往生、おじさん一人で格闘している。後ろの2台がそれ尻目に追い越していく。オレもと思ったが滑ってハンドルをもっていかれた、一度止まると怖い。何回かトライしたが無理、万事休すだ。すると後ろの車がオレを見捨てるが如く追い越して行った。瞬間、やったこれで脱出できる。ニュートラルに入れ、坂の傾斜を利用しバックで蛇行運転。ほぼほぼ雪がなくなったところでUターンしことなきを得た。あのおじさん、気になったが致し方ない、JAFにまかそう。

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妻と春にまた来ることを約し赤城山を後にした。

おしまい

2010.2.1

浦和