山口、瑠璃光寺に行ってきました。
これだけ京都に行っていて西の京都に行かない手はない、ということで山口に行ってきた。目的は瑠璃光寺の五重塔だ。日本三名塔のひとつで、あと二つは法隆寺、醍醐寺。瑠璃光寺は曹洞宗、なので道元の永平寺が大本山。こじんまりしている中に檜色の五重塔が際立っていた。桜と相まって山の端に溶け込んでいる。
今までにない趣を感じるのは屋根が檜皮葺のせいか、なんとなく柔らかい、女性的。今まで数ある塔、堂宇を見てきたが大概、凛とした、厳かなというような形容だがここのは優しい、とても美しい。
五重塔は大内氏が建てた。北朝の足利義満に反乱を起こして破れた兄(義弘)を弔うために弟(盛見)が建立したもの。山口といえば毛利だが室町時代は大内氏、9代目弘世が京都を模して町づくりをし大内文化を隆盛させた。東北奥州藤原氏の平泉に似ている。共通しているのは後世の人達がその文化をハード、ソフトと共に大事にしていること、逆にいえば大内氏が民に尽くしていたということか。文化と政治は切っても切れないがリーダーの存在はでかい。
それから忘れてはならないのは、ここは明治の傑人を輩出した県だ。そういえば大学時代の麻雀仲間に山口出身の奴が結構いたっけ。仲間意識が強く、ことあるごとに長州を誇っていた。若干鼻についたが今思えば地元意識は重要だ。日本は北から南まで気候、言葉、食、つまり肌感覚、方言、ご当地グルメなんか都道府県で様々だ。そういう国は中央集権ではなく地方分権がいい。駅前がシャター街になっているところもあれば大きなビルが立ち並ぶところもある、何を優先するかそれぞれ違う。政治も地方分権が騒がれているが遅々として具体化していない。地元の政治、行政はもっと足元を見て地域共有の価値を高めることが第一義、そこから全てがスタートにしてゴール。歴史も言っている、例えば江戸時代、「巨人の肩の上に立つ」!
帰りの一ノ坂川という川の桜並木が綺麗すぎ、桜もそうだが川の流れに心を奪われた。小川のせせらぎ、岸の草花、そして桜吹雪、三拍子揃った、最後に気になる魚は居るかしら。
日本三大名塔、残るは醍醐寺、楽しみだ。
おわり
2018.4.1
エイプリルフールの山口、下関