残暑

うちのマンションの隣りに小さな道路を挟んで小学校がある。運動場は校舎の反対側なのでこちら側は緑地スペースになっている。

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教育の一貫からか生徒たちも植物を育てている。建物に覆いかぶさるように桜の木が整列し、下には湧き水が出るので人口の小川が流れている。沼の隣りの小さな水田で稲を育て秋に収穫する。

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畑には野菜そして四季折々の花々だ。ところどころに何年何組誰それと札が立ち並ぶ。鉢植えは子供達が育て、生育したら自宅に持って帰り家族に自慢する。傍にはコナラ、クヌギ、ザクロ、センダン、ムクノキなんかが植わってさながら森のようだ。

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道路沿いには花壇があり、小さな花々が咲いている。極め付けは花壇横のスペースに桜の季節には菜の花、暑さ真っ盛りの夏はひまわりが満開。これらは秋から冬にかけて仕込んでおき、季節になると一斉に咲く、それはそれは素晴らしい。

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会社に行く朝、その彩にどれだけ救われたか。

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これらは全て小学校の管理員さんが世話をしている。オレがここにきて3代目ぐらいか。聞くところによると小学校の校長先生が退任して仕事半分、趣味半分でやっているらしい。でも、一定の知識がなければできないし、体力だって必要だ、立派なことだ。時たまうちのマンションの管理人が業務の傍手伝ったりしている。もちろん誰も文句は言わない。

この取り組み永遠に続けて欲しい。それでなくても区画整理やらで周りの緑がドンドン削られていく中、とても貴重な取り組みだ。

木々や花々に引き寄せられて、鳥や蝶も集まってくる。明け方窓を開けて耳をすますと、季節ごとに違った生き物の鳴き声がする。夏は蝉だ。蝉にも鳴く順番がある。ニイニイゼミ、ヒグラシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、因みに今はアブラとミンミンの合唱。もうすぐ残暑とともにツクツクボウシ、続けてキリギリス、ウマオイのスイッチョンが聞ける、秋到来。

若い時はこんなの耳に入ってこなかった、やはり年とともに感じること、考えること、やること、相応だ。今の若い奴らは、なんて思ってても言わないほうがいい、育ってきた時代の色メガネはみんな違う。オレなんて初めてジーパン履いた時、大正生まれの母親に泣かれたぞ。それにしても土の匂いは格別だ。

おしまい

2019.8.31

浦和