色彩の同時対照の法則

「色彩の同時対照の法則」というのがある。色の三原色なら誰でも知っている(三原色には絵の具と光で違うがややっこしいのでここでは赤青黄とする)、でもその三原色にこんなの法則があるとは、教養の無さが驚きを産む。「赤青黄の1色と残りの2色を混ぜてできた色(赤と緑、青とオレンジ、黄色と紫)は互いに引き立てあうという理論だ」とOFFって雑誌に書いてあった。色彩理論に忠実なゴッホの絵によく見られるらしい。フランスの科学者が発表したものでオレみたいな色痴にはモッテコイ、洋服のコーディネートなんかにも使えそうだ。

そんな事前知識を持って3度目の上野の国立西洋美術館に行ってきた。まず、赤と緑、これが一番多い。

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次に青とオレンジ、

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最後に、黄色と紫、これが一番少ない。

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こんな具合の鑑賞法も面白い。

ところで、音には絶対音感ってあるけど色には聞いたことがない、でも、あるような気がする。単音や和音を聞くだけでドだのAmなどと聞き分けることができるように色にも、例えばこの色とこの色を混ぜると何色になるというように頭の中に思い浮かぶ、そんな能力が絶対色感だ、と勝手に言っているだけ。

かのゲーテは出来上がった詩に新たに言葉を追加すると他の言葉が死んでしまうと言った。同じ芸術として詩を絵画にあてはめると、完成された絵画に後から色を追加すると他の色が死んでしまうことになる。芸術が感動を与えてくれるのは、オレなんかにはわからない、色彩の同時対照の法則のような決まりごとが根底にあり、絶対音感や絶対色感で作者がバランスをとり芸術化するからだろう。観る側も覚悟がいる、そんな心構えで絵を観たい。

おわり

2018.8.2

浦和