新宿の美術館で、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンそしてターナー。

超有名な画家の作品がこんなに身近に見れるとは。新宿の東郷青児記念・損保ジャパン日本興亜美術館、新宿高層ビル群の42階にある、天空の美術館だ。セザンヌゴッホゴーギャン、ポスト印象派の三巨匠の作品が一幅ずつ常設展示してある。でも、見るには企画展とセット、ここのシステムらしい。

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今やっている企画展は、イギリスの画家、ターナー。イギリスは絵画後進国といわれていたがターナーは西洋風景画の巨匠だろう。時は、主観的、感情的な表現を重んじるロマン主義の時代、近代の始まりだ。

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ターナーのコンセプトは「崇高」、と言ってもよく分からない。自然への敬虔な気持ちを感情表現することだそうだ。何十幅もの絵画を見たが初めはうまい、繊細、綺麗の連発だが、段々どれも同じに見えてきた、自然と足が早まる。でも、オレみたいな美術初心者には風景画は単純に綺麗だと思う、この感情が大切。

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ターナーを見尽くした後、最後のブースにお目当ての三幅、すごい迫力。こんな感じ!

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壁に向かって左からリンゴ、ヒマワリ、アリスカンが描かれている、セザンヌゴッホゴーギャンの順。アリスカンって何だ、古代ローマの遺跡。一番心が動いたのはやはりセザンヌのリンゴだ、歴史を変えた絵画。

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それまでの絵画の世界で常識とされてきた遠近法などの画法に挑んだ革命的作品、この作品が無ければピカソの「あっち向いてホイ」は生まれていない。ピカソのは右を向いた顔、左を向いた顔、後ろから見た顔がひとつ絵に混在しているがセザンヌのリンゴも一つひとつが違った表情で別々に描いたものを貼り付けたような感じだ。「人には人の乳酸菌」と同じで顔もリンゴも各々が主張している。人の数だけ意見がある、人と意見がぶつかって落ち込んだりした時はセザンヌを見よう。先人からの暖かいメッセージだ。

ターナーは「私は今から無に還る」って言って76歳で亡くなったそうだ。死後の世界はわからないがこの言葉はカッコいい、でも、お袋のはもっとカッチョいい、「わたしゃもう死んどる」。

2018.4.26
新宿